魚新のこだわり
基本的なことですが、脂が乗っていて、痩せていない、旬な魚を選びます。
旬な魚と言えど、海水温などの変化により、年々旬の時期が変わってきます。
その都度サンプルとして魚を仕入れ、捌き、その仕上がりを確かめ見極めることが品質を保つ重要な要素となります。必要に応じて産地も変えています。ホッケのブランドである羅臼産よりも時期によっては礼文産や松前産のホッケを選ぶこともあります。
包丁の入れ方にもこだわりがあります。三枚におろす場合や開きにする場合のどちらにも言えますが、極力、身にストレスを与えないことを心がけています。よく包丁をのこぎりの様に前後に動かしながら切る方がいますが、そうすると身の断面がボロボロになり身崩れの原因となりますので、骨と身の隙間を狙い一太刀で切り落とすようにしています。さらに魚新では血合(魚の静脈)や血が溜まりやすい場所を丁寧に削ぎ落としています。理由としては干す時に血が残ってしまうと生臭さの原因になったり、身に血じみがつき、美しくないので可能な限り取りきるようにしています。
綺麗な水で洗えば洗うほど、血もよく取れるのですが、水にあてる時間が長引くほど身がふやけてしまい身割れの原因となってしまいます。さばきの工程で血をいかに取れているかがポイントとなってくるのです。マルミ魚新では、洗いは最終チェックも兼ねて素早く洗うことに注力しています。
味付け、日持ちをよくする為に塩水漬けにします。どうしても一般の食卓にあるような精製塩だとミネラルも抜かれ、ただしょっぱい味に仕上がってしまいますので、味に尖りのある味覚になってしまうのです。それを抑えまろやかに味わい深く仕上げる為に何十種類も塩を試し、辿り着いたのが“いそしお”の鉄入りでした。この塩に出会ったことで、いまのマルミ魚新の味が完成したと言っても過言ではありません。あとは隠し味として魚醤を足すことも旨さの秘訣です。
干し方の種類でも、天日干し・機械乾燥・灰干しなど様々あります。マルミ魚新ではピチットシートという特殊なシートを使い魚の水分や臭みを抜いています。ピチットシートには小さな穴が開いており、この穴より小さな分子の水分や臭みは吸収しますが旨み成分は分子が大きいので魚に留まります。そして、低温の冷蔵庫で一晩熟成させて生臭みのない旨みが凝縮された干物が出来上がります。天日干しや機械乾燥のように魚の温度が上がらないので魚の脂が酸化しづらくEPAやDHAの不飽和脂肪酸が残りやすい製法でふっくらと仕上がっています。また、ピチットシートに包まれているので魚に虫やホコリがつきません。
店頭販売や催事販売にお越しいただける方は干物のできあがった状態のままお買い求めいただけます。やはりチルドの状態でお召し上がりいただけるのが一番のコンディションですが、地方にお届けの場合は真空パックにし、急速冷凍をかけ送ることができます。こちらはお買い求めからすぐにお召し上がりになられない時でも、冷凍庫で保存が効くというメリットがあります。急速冷凍は細胞が壊れづらいことから味の落ちも比較的少なく本来のマルミ魚新の味がお楽しみいただけます。